視線の抜けを考える

広く住むための設え_01
窓を直線上に配置することで、視線の抜けをつくり空間を広く見せる。

室内の意匠の要素となる仕上げ材、色、造作、家具、建具は、種類を少なく抑えることで、シンプルで統一感のある空間づくりに繋がります。窓や家具、照明、エアコンなどの配置を上手に調整することで広がりや安定感をつくり出します。
建具や窓を直線上に配置して視線の抜けをつくり、床材を統一して連続させると空間を広く見せることができます。

また、天井付近(高窓や天窓)や床付近(地窓)の先にある風景をつなげることで、視線を引き付ける方法もあります。
リビングとつながるデッキは、窓の先にもう一つの屋根のないリビングがあるように、住まいの内と外を融合させ広々とした気持ちのいい空間をつくります。

天井の高さをバランス良く

天井の高さを統一して、床から天井まで窓を設けて光を取込むことで、視線の抜けを上手につくり出します。室内の壁や天井の縦・横の線をつなげた整然とした空間は、奥行きと広がりを感じさせてくれます。天井は高いばかりが良いとは限りません。
座った時に、慎ましく抑えられた天井の高さが落ち着きを感じさせてくれます。狭小地や都市部の3階建ては、建築基準法の斜線制限を受けることが多く、階高の工夫が必要です。

天井高を抑えても視線を左右に広げることによって広く見せることが可能です。
1階の天井の高さを抑えると、2階までの移動距離が減る分、段数が少なくなりゆったりと上がることができます。全体のプロポーションの中で、視線の抜けや広さに応じた天井高のバランスが大切です。

建具の配置を工夫して空間のつながりをつくる。
障子は、室内に明かりを回す効果があり、空間は優しい印象に。
広く住むための設え_06
デッキと隣接するもう一つの部屋はリビングからも行き来できる。
リビングと和室をひとつにつなげ、窓の配置で奥行きと広さを演出。座の暮らしに合わせて造作家具も低めに設える。
広く住むための設え_05
リビングを一段上げて開口部と階段を融合。床、階段、壁の素材をうまく調和させて空間をすっきりと見せる。
広く住むための設え_07
吹き抜けから光を取り入れ、上下左右にのびやかな視界をつくる。
広く住むための設え_08
リビングから見たケヤキの木、視線がうまく抜けるように窓とバルコニーの手すりの位置を配置。

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