坪単価のからくりを理解していただいたところで、問題です。
家は『坪単価×建物面積』で建てることができるのでしょうか?
残念ながら坪単価を計算するだけでは、住める家にはなりません。
場合により割安感の演出に使われている言葉でさえあるのです。
家づくりの総費用は「本体工事費」「付帯工事費」「諸費用」でできている
家の総費用は、「本体工事費」「付帯工事費」「諸費用」という3つの要素で構成されています。
「本体工事費」+「付帯工事費」=建築工事費になりますが、一般的にメーカー型の家づくりでは坪単価は本体工事費だけです。
それぞの構成比は、図を見てください。
つまり、坪単価だけでは家づくりの総額の70〜75%しか出ないことになります。
坪単価で家の総費用が出ると思いそうになりますが、実はそれは家の総費用に対して70〜75%の割合で、その他の費用のことも考えなければなりません。
あとで費用が膨らんで困った事にならないために、家を建てる費用を考えるときには『総額』で考えるようにしましょう。
この総額には、以下の費用が入ります。
- 坪単価(本体工事費)
- 付帯工事費
- 諸費用
1.坪単価(本体工事費):建物としてほぼ完成した状態につくり上げていくための費用
本体工事費には「躯体工事費」「仕上げ工事費」「設備工事費」が入る
躯体工事費 | 基礎をつくり、柱や梁を組むこと。 |
仕上げ工事費 | 外壁を塗装したり、内装のクロス貼り、床のフローリング工事などです。 |
設備工事費 | 建具や造作家具、キッチン、トイレ、浴槽などの取り付けや、電気や水道の内部配線・配管工事のこと。 |
2.付帯工事費:本体工事では行わない付帯の工事の費用
- 地盤改良工事(地盤調査の結果により決定)
- 造り付け家具
- 冷暖房設備(室外機用スリーブ孔を含む)
- 電話機および通線工事(通線は電話会社工事)
- CATV、インターネット、LAN等特殊設備
- カーテン・カーテンレール・ブラインドなど室内装飾品
- テラス・バルコニー・ウッドデッキ・濡縁などエクステリア類
- 植栽・生け垣などの造園工事
- 玄関へのアプローチ部分の工事や門扉フェンスなど家周辺の外構工事
- 照明器具
- 外部給排水工事
- 上下水道引き込み工事及び、引込分担金、下水道負担金
3.諸費用:家を建てる際の 住宅ローンや引っ越し代、税金などの建築工事以外の費用
- 設計・監理料・確認申請費・中間、完成検査料・瑕疵保証料
- 工事契約書、公庫や銀行借入時に必要な印紙代
- 表示登記・保存登記・融資・司法書士などの各手数料・申請書代
- 公庫借入時の保証費・完成保証費・瑕疵担保保険費・性能表示申請に関わる諸費用
- 完成後必要な火災・地震・生命保険代
- 建築時にかかる税金・登録免許税(保存登記・抵当権設定登記)
- 不動産取得税・印紙税、建築後毎年かかってくる固定資産税
- 都市計画税
- 地鎮祭・上棟式・新築祝い、近隣への挨拶手土産、職人さんへの茶菓子代(最近は不要の例も多い)
- 新築中の仮住居費、引越代